我が国の未来を見通す

メルマガ軍事情報の連載「我が国の未来を見通す」の記事アーカイブです。著者は、元陸将・元東北方面総監の宗像久男さん。我が国の現状や未来について、 これから先、数十年数百年にわたって我が国に立ちふさがるであろう3つの大きな課題を今から認識し、 考え、後輩たちに残す負債を少しでも小さくするよう考えてゆきます。

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我が国の未来を見通す(41)「気候変動・エネルギー問題」(6)「温室効果ガス」はどのように排出されるのか(後段)

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我が国の未来を見通す(41)「気候変動・エネルギー問題」(6)「温室効果ガス」はどのように排出されるのか(後段)

□はじめに──民族の“血”は変わらない! 

 産業革命以降、第2次世界大戦までの約200年間、欧州列国による植民地獲得競争が吹き荒れ、アメリカが独立する直前、つまり18世紀後半には、世界の85%は欧州列国の植民地になっていました(アメリカも独立するや欧州列国同様の領土拡大に奔走します)。

12世紀に「キエフ公国」として誕生したロシアも紆余曲折はありましたが、不凍港を求めての南下政策を含む領土拡大意欲はすさまじく、19世紀にはイギリスと「グレート・ゲーム」を展開、ユーラシア大陸各地で領土争いの戦争を仕掛けてきた歴史があります。「クリミア戦争」「露土戦争」(ロシアとオスマントルコとの戦争)、そして20世紀になると「日露戦争」「第1次世界大戦」「第2次世界大戦」、米国との冷戦などまで含めると枚挙に暇がありません。

冷戦終焉でソ連からロシアになり、ソ連邦として領土化していた各共和国や衛星国がそれぞれ独立しましたが、以来約30年間、国是ともいうべき領土拡大を諦めず、虎視眈々とその機会を待っていたのでした。

ロシアの国土は日本の約45倍で世界一の面積を有しますが、人口は日本とほぼ同じ1億4千万人あまりです。私たちからすれば、今なお領土拡張にこだわる意味を理解しがたいですが、欧米列国でさえ「領土拡大を求めての戦争に大義がない」と考えている現在のような時代にあっても、ロシアは過去の先人たちを同じ“振る舞い”を選択しました。

ロシア帝国から共産主義国家・ソ連になり、そしてロシアと国家体制は変わりましたが、支配地に傀儡政権を作ったり、選挙を強要したりする“手口”はいつも同じです。

今年2月、ロシアは突然、ウクライナに侵攻、キエフ陥落は断念しましたが、7カ月かけて東部4州(その一部)を占領し、9月23~27日、「住民投票」を実施、そしてこの投票結果を正当化し、30日、プーチン大統領が4州の併合を宣言、その後、上下院でも関連法案を承認しました。

ロシアの発表は、4州それぞれに地域において、ほぼ100%に近い異常な編入賛成の投票率だけで、この地域に約600万人の住民がいると言われるなかで何人が投票したのかについては触れていません。

想像するに、成年男子はすでに兵士として国土防衛作戦に従事していることでしょうし、危険を察知した人たちはロシアが侵略する前に他地域か国外に脱出したことでしょう。残った人の中の健常人はロシアに強制的に連行されたか、抹殺された可能性もあるでしょう。

そうしますと、4州に残った人々は、元々この地域に住んでいたロシア人か、ロシアに編入されることによって今の生活よりはマシになると期待している老人か女性、それも決して自由意志ではなく見え隠れする銃口に恐れおののきながらの投票の結果が真実に近い「民意」なのではないでしょうか。

投票所では、透明の投票箱を使用するなど、まさしく「茶番」を演じたことも印象に残りますが、「それが民意だ」としてその正当性を主張しました。このようなやり方が批判されるのも織り込み済みなのでしょうが、いかなる手段を使っても、“併合を既成事実化”するのが、長い間のロシア(民族)のやり方です。このようなロシアの歴史を知っていれば、「やはり」とか「またか」と思うだけです。“民族の血は変らない”と考える必要があるということでしょう。

その対抗措置として、ウクライナは「NATOの加盟申請」を表明しました。東スラブ人としてロシア民族と同じ血が流れているウクライナですが、ロシアとは別の歴史を歩んだことはすでに紹介しました。第2次世界大戦中、戦うことを放棄したエストニアは即、ソ連に併合されましたが、ソ連とドイツの狭間の中の極めて厳しい立場で善戦した結果、国土の一部を割譲したものの「中立」を条件に独立は勝ち取ったフィンランドの歴史などを含め、このようなロシアのやり方を知り尽くし、いかに対処すべきかについても学んでいるのでしょう。

プーチン大統領の併合宣言を国民が冷めた目でみているとか、予備役招集に反対する暴動とか、徴兵拒否の国外脱出が100万人を超えた(10月6日)とか、ウクライナ軍が東部拠点のリマンを奪回したことをはじめ反転攻勢に転じているなど、ある種の“期待”を込めたニュースが拡大しつつあります。

これらはすべて、プーチン政権の足元がぐらついでいる兆候ではありますが、予備役の数は2500万人といわれますし、「昨今、ロシアには表現の自由はない」と言われるなか、現時点では、大方の政治家、官僚、軍人、警察官などがプーチン大統領に忠誠を誓っていること、つまり根底に変わらぬ“民族の血”が支配している限り、大勢は大きく変化しないと考えるのが現実的でしょう。

逆に、これまで何度も指摘しましたように、このような事態を打開するために、戦術核兵器の使用など新たな手段の投入により、事態がエスカレートすることの方が懸念されます。すでに国境付近で核実験の準備をしているとの報道もありますので、それが現実味を帯びてきました。

現役時代、陸幕において防衛力整備を司る場所で長く勤務し、「冷戦が終焉したので、(特に北海道の)陸上自衛隊を削減しろ」と財務当局、政府、世論をはじめ、防衛省内からも激しい要求を跳ね除ける最前線に2度も立った経験がありますが、当時から“ロシア民族の血は変わらない”との確信がベースとなって、陸上自衛隊だけは、対ロシアを考慮した最小限の防衛態勢を保持し続けました。

「それが正しかった」などと言う気は毛頭ありませんが、近視眼的な視点だけで情勢をみるのは危険ということだけは間違いないと考えます。一方、10月4日朝には、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本列島の上空を通過し、太平洋上に落下しました。国防上、3正面対処を余儀なくされる難しい時代になりました。

そのようななか、9月30日に発足した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」のメンバーの中に、元事務次官が1人入っているだけで自衛官OBが1人も入っていないことが問題にも話題にすらなりません。これが何を意味するのか、“ある意図”さえ感じてしまうのは私だけなのでしょうか。

軍事の専門家抜きでこの種の会議を開催することは、他国ではおよそあり得ないと思うからです。敗戦の結果、“民族の血”をすっかり入れ替えさせられた我が国の未来を思う時、これでいいのだろうかと、正直、一抹の、いや限りない不安を感じています。長くなりました。

▼「ものを育てる」こと

さて、気を取り直して本題です。前回の続きで5つの「人間の活動」の3番目は「ものを育てる」ことです。年間510億トンの19%は「ものを育てる」ことによって排出されます。つまり、食用の動物を育てることは「温室効果ガス」排出の大きな一因になっているのです。

専門家は、家畜の飼育から作物の栽培や木々の伐採まで含む広範囲な人間の活動を含む「農業、林業、その他の土地利用」と区分する中の最大の排出源とは「動物を育てる」と指摘しています。この場合、最大の悪者は、CO2ではなく、メタンと亜酸化窒素です。前述しましたように、CO2と比べるとメタンは28倍、亜酸化窒素はなんと265倍もの温暖化を引き起こすからです。

 そのメタンと亜酸化窒素の年間排出量を合わせると、CO2の排出量70億トンに相当し、「農業、林業、その他の土地利用」による排出の80%を超える量になっていると指摘します。

国連食糧農業機関(FAO)は、人為的メタン排出の37%は、家畜に起因するとして、消化器(いわゆるゲップ)と糞尿管理によるメタン発酵が1億300万トン、CO2換算値で23億6900万トン(2004年データ)排出されていることを発表しました。

ゲイツ氏は、世界資源研究所の研究結果として、「アメリカ式の食事は、アメリカ人の発電、製造、輸送、建設に使うすべてのエネルギーと同じぐらいの排出に繋がっている」と指摘し、「人口が増えて豊かになる世界に合わせて食料を生産するうちに、排出量はさらに増えていく。排出実質ゼロに近づくには、温室効果ガスを減らしつつ最終的には除去するような“動植物を育てる方法”を考えなければならない」としています。

それだけではありません。牛、豚、鶏を飼育するためには、人間の4~10倍の餌が必要で、肉1㎏を生産するための飼育用穀物が牛肉で11㎏、豚肉で7㎏、鶏肉で3㎏必要といわれています。現在、世界の飢餓人口は10億人を超えているといわれますが、せっかく作られた穀物が飢えた人には渡らず、その半分以上が家畜の餌になっていることも問題だとの指摘もあります。水に至っては、1㎏の牛肉を生産するためには、1㎏の小麦を生産するための200倍の水が必要とのデータもあります。

そして、課題は、農業や牧畜業だけではありません。森林伐採やその他の土地利用にも対処する必要があります。両者を合わせると約16億トンのCO2を大気中に排出し、野生生物の生息環境も破壊しつつあります。

世界銀行によると、1990年代以降、世界で130万平方キロメートルを超える森林が失われているといわれます。この「森林破壊」の目的は様々です。農業や家畜の放牧のための開墾、燃料、居住地の確保などです。

森林を伐採し、木々が燃やせば、含まれていたCO2がたちまち放出されますし、土の中に蓄えられていた炭素(土の中の炭素は、大気すべてと植物の中の炭素の量を合わせた量より多いといわれます)がCO2として大気中に放出されます。

さらに、ここでもっと本質的な問題があることも紹介しておきましょう。誰もがよくっているように、樹木が光合成によってCO2を吸収するということです。1本の木が一生の間に吸収できるCO2のおおよその目安は40年間で4トンといわれます。

この結果、ゲイツ氏は、平均的な人間(アメリカ人)1人が一生の間に出す排出分を吸収するには、20ha(東京ドームの約4個分強に相当)ほどの木をしかも熱帯地域に植える必要があり、これにアメリカの人口3億2400万人をかけると65億ヘクタール必要となると指摘します。これは世界の土地の半分に相当する膨大な面積を指してします。

 当然ながら、世界中、やがて90億人を超える人口増加に備えるため、単純計算でも現在の食料生産量の1.2倍に増やす必要があります。これらから、「ものを育てる」分野から排出されるCO2をゼロにするということがいかに荒唐無稽なことかが理解できるのではないでしょうか。

▼「移動する」こと

年間約510億トンの16%は「移動する」ことによって排出されています。年間約82億トンといわれています。

国によって多少の差異はありますが、自動車や飛行機などを使って「移動する」ことによるCO2の排出は、意外にも「ものを作る」「電気を使う」「ものを育てる」ことに次ぐ4番目に位置付けられています。

まさしく産業革命以来、化石燃料を使用する自動車、船、航空機が人の移動や物の運搬の手段としてその距離が伸び、時間を短縮させてきました。

世界中で取引される品の9割は海上輸送され、その排出量は全体の3%に及ぶとのデータがあります。ゲイツ氏は、「先進国の輸送による排出量はここ10年間でピークに達し、現在の増加分は中国など発展途上国のものである。実際に、中国の輸送関係の排出は1990年の10倍に達した」と指摘しています。「輸送」関連においても、途上国は化石燃料の使用をそう簡単に譲れない“事情”があるようです。

しかし、実際に「乗り物」の排出量は、自動車が全体の47%とほぼ半分を占め、次にバスやトレーラーなどの大型車(30%)、船舶と航空機が同じく10%、その他(3%)となっています。

世界中には現在15億台の車が走っており、年々増加しています。ガソリンを燃やすと「温室効果ガス」が発生するのは避けられず、現在、電気自動車が普及しつつあるのは説明を要しないことでしょうが、バッテリーの重量の問題や充電に時間を要することなど課題が克服できたわけではありません。水素やバイオなど代替液体燃料も実用化しつつありますが、CO2を排出せずに水素つくるにはコストがかかるなどの問題も残っています(細部は後述しましょう)。

路線の決まっているバスなどを電動バスや水素燃料バスに切り替えるのは、諸外国や我が国においても普及しつつありますが、コストが安いディーゼルエンジン搭載が主流となっている長距離輸送の大型トラックは、なかなかそれに代わる手段を見つけるは難しいようです。船舶や航空機も同じような状況にあります。

ゲイツ氏は、輸送によるCO2排出量を減らすには、次の4つの方法があると提案します。①「頻度を減らすこと」(これらの乗り物に代わる移動手段をもっと使えるようにすべき)、②「自動車等を製造する時、CO2を多く排出する資材を使わないようにすること」(CO2を排出する鋼鉄やプラチックス資材をなるべく少なくすべき)、③「燃料を効率的に使うこと」(そのための国際基準を設定すべきなど)、④「電気自動車や代替燃料への切り替え」(最も効果的な方法である)です。

しかし、実際には、人口が増加し、発展途上国が近代化すればするほど、人や物の移動が増加することは明白で、「移動する」ことによるCO2排出削減の実現は難しいことでしょう。

▼「「冷やしたり暖めたりする」こと

年間約510億トンの7%は「冷やしたり暖めたりする」ことによって排出されています。

「冷やしたり暖めたりする」というとまずエアコン(空調装置)を思い出しますが、この世にエアコンが誕生したのは1902年、印刷された紙に皺(しわ)が寄らないように部屋の湿度と温度を下げるためでした。以来、100年余りの間に、エアコンは夏の間の快適な生活のためだけでなく、コンピューターの冷却など現代経済を支えるために必要不可欠な器材になりました。

家庭のエアコンの普及は、日本を筆頭にアメリカ、韓国、サウジアラビアが80%を超え、中国やメキシコも60%を超えています。世界全体ですでに16億台を超えるエアコンが使われていますが、不均等にも、世界で最も暑い国々では未だ10%未満に留まっています。これは、人口が増え、暑さが厳しくなればなるほど、今よりずっと多くのエアコンが使われるようになることを意味します。

現に、中国では2007年から2017年までの17年間に3億5000万台のエアコンが増加し、今や世界最大の市場となっています。最近は、ブラジル、インド、インドネシア、メキシコなどでも販売が増加し、2050年には50億台を超えると予想されています。

「皮肉なことに、温暖化した気候の中で生き抜くためのエアコンが、気候変動を一層悪化させかねない」とゲイツ氏は指摘し、実際に国際エネルギー機関は、2050年までに、エアコンのために使われる電気量は3倍になり、現在の中国やインドで使われている総電気量と同じ量になると予想しています。

また、すでに指摘したように、冷媒として使われているフッ素系のガスが漏れると、CO2の数千倍の温室化を引き起こすことも判明しています。

次に暖房です。暖炉と温水器を合わせると、世界の建物から排出されるCO2の3分の1を占めるといわれます。これらは、エアコンと異なり、電気ではなく化石燃料で動き(住んでいる場所によって、天然ガス、灯油、プロパンと違う)、電気をクリーンにするだけでは脱炭素化は困難で、天然ガスや石油以外の何かから熱を得る必要があります。

現在、アメリカで売られている暖炉のおよそ半分はガスで動く製品であり、世界では、暖房のためのエネルギーに化石燃料が電気の6倍使われています。

増え続ける都市人口を収容するために、世界では現在、すさまじい建設ブームが起こっており、2060年までに23万平方キロメートルの建物が造られるようです。これは、“40年間、毎月ニューヨーク市と同じ規模の街を一つ作る”ことに相当します。

「冷やしたり暖めたりする」ことを念頭に入れた建物や街全体の建設を実施し、エネルギー効率を上げることが必要になってくるとゲイツ氏は指摘しています。もちろん、コンクリートや鉄鋼材など、「ものをつくる」過程においてもCO2が排出されることを覚悟する必要があることはいうまでもありません。

まとめますと、5つの「人間の活動」のうち、その31%は「ものをつくる」、27%は「電気を使う」、19%は「ものを育てる」、16%は「移動する」、7%は「冷やしたり暖めたりする」ことによってCO2が排出されます。

「脱酸素」を叫ぶのなら、これら5つの活動全てにおいて、CO2排出削減、いや排出ゼロを目指さなければなりません。現在の取り組みやテクノロジーをもってしては不可能に近いことをご理解いただいたことでしょう。

次回以降、それぞれの活動の中でいかにCO2を削減するかについて、現在考えられている手段を紹介し、その可能性について考えるとともに、そもそもの問題として、①地球は温暖化しているのか、②その原因は「人間の活動」によって排出されるCO2なのか、③CO2削減は正しい選択なのか、などの問題についても一緒に考えてみたいと思います。(つづく)

宗像久男(むなかた ひさお)
1951年、福島県生まれ。1974年、防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。1978年、米国コロラド大学航空宇宙工学修士課程卒。陸上自衛隊の第8高射特科群長、北部方面総監部幕僚副長、第1高射特科団長、陸上幕僚監部防衛部長、第6師団長、陸上幕僚副長、東北方面総監等を経て2009年、陸上自衛隊を退職(陸将)。日本製鋼所顧問を経て、現在、至誠館大学非常勤講師、パソナグループ緊急雇用創出総本部顧問、セーフティネット新規事業開発顧問、ヨコレイ非常勤監査役、公益社団法人自衛隊家族会理事、退職自衛官の再就職を応援する会世話人。著書『世界の動きとつなげて学ぶ日本国防史』(並木書房)

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著者

宗像久男

1951年、福島県生まれ。1974年、防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。1978年、米国コロラド大学航空宇宙工学修士課程卒。陸上自衛隊の第8高射特科群長、北部方面総監部幕僚副長、第1高射特科団長、陸上幕僚監部防衛部長、第6師団長、陸上幕僚副長、東北方面総監等を経て2009年、陸上自衛隊を退職(陸将)。日本製鋼所顧問を経て、現在、至誠館大学非常勤講師、パソナグループ緊急雇用創出総本部顧問、セーフティネット新規事業開発顧問、ヨコレイ非常勤監査役、公益社団法人自衛隊家族会理事、退職自衛官の再就職を応援する会世話人。著書『世界の動きとつなげて学ぶ日本国防史』(並木書房)